タミフルは、インフルエンザウイルス表面に存在するノイラミニダーゼのシアロ糖鎖切断作用を阻害する事で、感染細胞内の増殖したウイルスの遊離を抑制し発症や病状の悪化を遅延させる効果がありますが、タミフルにはウイルスを死滅させる効果が無い為に発熱や頭痛、喉痛などの症状に対しては氷枕や解熱剤、鎮痛剤などによる対処療法が必要です。氷枕や水枕で頭部を冷やす行為には、解熱効果は無いとされていますが、頭部を氷枕で冷やす事により頭部の血管を収縮させ頭痛の緩和や冷たさによる精神的な有効性があるとされています。

氷枕や水枕による解熱を行う場合には、腋の下や内太腿の付け根、背部などの太い血管のある部位を冷やすと有効とされ、現在では氷枕や水枕による解熱よりも解熱剤に解熱が一般的ですが、インフルエンザの場合には鎮痛剤によりインフルエンザ脳症や脳炎を発症するリスクが高まるとされ、解熱剤の投与を控える医療機関が増えているので氷枕や水枕による解熱はインフルエンザにおいては有効とされています。インフルエンザ脳症や脳炎は、年間で200人前後の学童が発症し約30%が死亡している為、ジクロフェナクナトリウムや非ステロイド系の解熱剤の使用は禁忌とされ、現在ではアセトアミノフェンを主成分とする解熱剤が用いられています。

葛根湯は、解熱や鎮痛作用のある葛根や芍薬と交感神経興奮剤のエフェドリンを含む麻黄、発汗や発散作用のある桂皮、炎症やアレルギー症状を緩和する甘草、強壮や鎮痛作用のある大棗、発散健胃作用のある生姜などの生薬が含まれており、特に葛根湯に含まれている麻黄はウイルスの増殖抑制作用があるとしてインフルエンザの初期段階に有効とされています。又、葛根湯には、解熱作用や鎮痛作用のある生薬も多く含まれている事から、タミフルの様な対処療法の必要も無いとされています。